リンパ外科、原 尚子
リンパ外科医・原 尚子

  形成外科医になって間もない頃、リンパ管静脈吻合術(LVA)を受けた患者さんの足が、すっと柔らかくなり、細くなっていくのを見て、感動しました。たった0.5mmの細いリンパ管が大きな仕事をしていることに未知数の魅力を感じると同時に、リンパ浮腫で困っている患者さんがたくさんいることを知り、何か助けになれるのではないかと思い、今までリンパ浮腫診療を行ってきました。がんの治療を乗り越えたみなさんが、少しでも自由に、リンパ浮腫のことを忘れて毎日を過ごせるように、サポートしています。

 

 リンパ浮腫の治療は、保存療法や手術、さまざまなアプローチが必要です。私たちは、熱意あるリンパ浮腫セラピストたちと協力して、日々進化する治療を追求しています。私もセラピストも、長年リンパ浮腫の診療を専門に行っていて、日々リンパ浮腫の治療についての情報交換をしていますので、その分、知識や経験の蓄積があります。そして私自身、夏も冬も毎日弾性ストッキングをはき、たまに弾性包帯を巻いたりして生活していますので、そのつらさも、解決策も、いろいろ経験しています(患者さんに勧めるならまず自分から!)。

 

リンパ浮腫をもった方が海外旅行に行きたい、仕事を続けたい、マラソンがしたい、いつまでも自分の足で歩きたいという願いは、今や遠い夢ではありません。実現可能な素敵な夢です。あきらめる必要はありませんし、我慢する必要もありません。100歳まで元気に自分らしく過ごせるよう、まずは気軽にご相談ください。